女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら～17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます～

「津田さん、おはようございます。早いですね」
　津田さんは私の先輩で、ひょろっとした男性社員。三十歳で独身。いつもよれよれのスーツを着ている。
「いや、昨日泊まりで仕事したから。顔洗ってくる」
　津田さんの返答を聞いてよくよく彼の顔を見たら、無精髭が伸びていて、顔も青白かった。
　彼がオフィスを出て向かい側にある洗面所に行くと、パソコンを立ち上げながら、コンビニで買ってきたおにぎりを食べる。
　昨日の仕事もヘビーだったせいか、食欲はあまりない。
　玲人くんに処方してもらった薬と栄養ドリンクを飲むと、溜まっていた仕事を片付けていった。
　祖母もいるし海外勤務ができないから一般事務で入ったのだけど、営業職の社員の仕事も最近振られがち。
　英語を使うのは問題ないけれど、取引先からの電話の対応にはあたふたする。
　私の先輩の津田さんは総合職で仕事もできる感じだけれど、仕事をたくさん抱えていているので、あまり頼れない。今日も見るからに具合が悪そうだ。