女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「あ~、多分資料が共有フォルダに入ってるから適当に頼むよ。あと、送金が確認できないってイギリスのY社からクレーム来てたらしいから、調べて返事しておいて」
 私に丸投げしてこの場から去ろうとする部長を引き止めた。
「え? ちょっと……部長、待ってください。私、自分の仕事だってあるのに」
「今から君の仕事。じゃあ、俺は役員と打ち合わせあるから」
 ひらひらと手を振って、部長は消える。
 文句を言いたいが、言ってもなにも変わらない。
 共有ファイルや取引の履歴をチェックして、資料を作成。
 慣れない仕事で打ち合わせ時間ギリギリまでかかった。
 打ち合わせは最近の円安のせいで、紅茶の価格が高騰し、相手のオーケーを得られず、また後日話し合うことに。
 価格は私の一存で変更なんかできない。それこそ部長の出番だろう。
 打ち合わせが終わると、銀行送金の確認。単純にうちの手続きがされてなくて、私が銀行に聞きながら手続きし、処理が終わるとF社にメールで謝罪文を送った。
 経理担当者は先週辞めてしまったから、今は私が代わりにやるしかない。
 
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