女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「ダメ。お前の相手する程暇じゃない」
 素っ気ないな。八年振りに会ったのに、綺麗になったとか全然言ってくれないし、プライベートでも全然会ってくれない。
 彼の左手に結婚指輪はない。結婚してないなら、私にもチャンスがあるのではないだろうか。
 学生時代、生きるのに必死で玲人くん以上に素敵な人と出会うことはなかった。
 就職してからも家と勤務先の往復でいい出会いは皆無。
 そこにきて、この再会。
 これはきっと神さまが私にくれたチャンスなのよ。
 彼を諦めるなって――。
 小さい頃は『玲人くん、好き。結婚して』と言っても、『子供がませたことを言うな』と全然相手にしてもらえなかった。
 四条家にいる玲人くんに私がべったりつきまとう。玲人くんからすれば小さい子供に絡まれ嫌な気分だっただろう。
 だって、私の前で笑ってくれたことなんて一度もない。
 会うと必ず彼は嫌なものを見たとでも言いたげに眉間にシワを寄せるのだ。
 でも、私も昔とは違う。
 大人になった私を見てほしいし、今の玲人くんを知りたい。
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