女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
5,今夜は仕方がない ― 玲人side
「ああ、そういうことで頼むよ。遅くに悪かった。じゃあ」
電話を終わらせると、フーッと息を吐いてソファに身を預ける。
深夜だったが、弁護士をしている友人に連絡して優里のことを頼んだ。
彼女の上司に襲われそうになったことを伝え、警察沙汰にはしないが、会社は精神的苦痛のため辞めることを先方に伝えるよう依頼。
 慰謝料は要求しない。もらったところで優里が喜ばないだろう。だが、彼女が働いた分の給料はきっちり払ってもらう。
 こちらには上司に襲われそうになったという証拠もある。絶対に拒否はさせない。
 未遂に終わって本当によかった。だが、彼女はかなりダメージを負っただろう。
 手にくっきりついた手型の痣。
 それを見た時ゾッとした。
 どれだけ強く掴まれたのか。
 しかも彼女の手の爪がボロボロで俺が切って整えたのだが、皮膚の皮のようなものが付着していた。
 恐らく優里はかなり激しく抵抗し、相手の皮膚を引っ掻いたのだろう。
 か弱い女性をあんな遅い時間まで残業させて襲いかかる彼女の上司が許せなかった。
 もし目の前にいたら思い切り殴ってやりたい。
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