女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「あ~、なんかこんな風に時間気にしないで料理するのって久々かも」
 出来上がった肉じゃがを一口口に入れて味見した。
「うん。味も染みてて美味しい。やっぱ煮物っていいよね~」
 玲人くんに食べさせたら喜ぶかも。
 皿に肉じゃがを盛り付け、ダイニングテーブルに座って食べていたら、ピンポーンと玄関のインターフォンが鳴る。
 えっ、誰?
 居候の私が勝手に対応するのはマズい。でも、誰が来たのか確認しないと……。
 インターフォンには応対せず、玄関へ行き、物音を立てないようそっと鍵穴を覗くと、玲人くんのお母さまがいて驚いた。
 え? なんで奥さまが?
 いや、息子のマンションなんだから訪ねてきてもおかしくない。
 しかも、玲人くんがいないと知ってて来ているのだから、私がいることをご存知なのでは?
 慌ててドアを開けると、奥さまが「優里ちゃん、久しぶりね。体調は大丈夫?」とにっこり笑って挨拶する。彼女は手に大きな紙袋を持っていた。
「あっ、はい。大丈夫です。あの……お邪魔しています」
 
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