聖母のマリ子
少し休憩して軽い食事をとった後、例の熱血侍女がパーティー用のドレスと共に登場し、もの凄い勢いでお色直しが施された。
準備が整った頃、ジュリアからの報告を受けた大司教が私の状態を調べるために部屋に来てくれた。
「魔力の放出は落ち着いているようですな‥‥いや、放出する程の魔力がないと言った方が正しいか‥‥これは困りましたね‥‥」
大司教は少し迷った様子をみせたが、難しい顔のまま液体の入った小瓶を取り出した。
「これは魔力を回復させるポーションです。本来なら安静にして魔力が回復するのを待つべきですが、今日はそうもいかないでしょう。放出量が増えた原因が不明な限り、薬で魔力を回復させてもそのまま放出されてしまう可能性もあるため、これはほんの一時しのぎにしかなりません。場合によってはこの後の予定を中止することもあるとご承知おき下さい」
だるいと感じたら一口ずつ飲むように言われて小瓶を受け取った。とりあえず一口飲んでみると、数分後、じわじわとだるさが軽減していくのが感じられた。
「ああ、少し楽になってきたかも」
「放出量に変化はなさそうなので、これならなんとかなるかもしれません。ですが無理は禁物です。おかしいと思ったら、すぐに殿下か私に知らせて下さい」
時間がなくて完全に魔力が回復するのを待つことはできなかったが、徐々に体調が戻っていると感じられたのでそのままパーティー会場となるダンスホールへと向かった。
「マリコ!気分が優れないんだって?大丈夫?無理をしてはいけないよ?」
途中で合流したエドが、私の顔を見るなりかけ寄ってきて、心配してくれる。
「お薬をもらって回復してきてるから大丈夫」
「できれば休ませてあげたいのだが‥‥極力動かずに座っていられるようにしよう。辛くなったらすぐ私に言うんだよ?」
「ありがとう、エド」
少しでも安心してもらいたくて笑顔を見せると、エドがキスでそれに応え、その熱を落ち着かせる間もなく私達は会場入りした。
盛大な拍手で迎えられた私達は、国王陛下に寄って紹介されエドが簡単に挨拶をし、その流れのままダンスへと移行する。
最初に私とエドが踊ることでパーティーが始まるのだ。ダンスも王妃教育で叩き込まれた内のひとつである。
「リラックスして私に身を任せていれば大丈夫だ。マリコは私だけを見ていればそれでいい」
この距離感でそんな甘い言葉を囁かれてしまうと、一気にエドの世界に引きずり込まれてしまう‥‥ああ!私の夫がキラキラし過ぎて目が潰れそうだ!
準備が整った頃、ジュリアからの報告を受けた大司教が私の状態を調べるために部屋に来てくれた。
「魔力の放出は落ち着いているようですな‥‥いや、放出する程の魔力がないと言った方が正しいか‥‥これは困りましたね‥‥」
大司教は少し迷った様子をみせたが、難しい顔のまま液体の入った小瓶を取り出した。
「これは魔力を回復させるポーションです。本来なら安静にして魔力が回復するのを待つべきですが、今日はそうもいかないでしょう。放出量が増えた原因が不明な限り、薬で魔力を回復させてもそのまま放出されてしまう可能性もあるため、これはほんの一時しのぎにしかなりません。場合によってはこの後の予定を中止することもあるとご承知おき下さい」
だるいと感じたら一口ずつ飲むように言われて小瓶を受け取った。とりあえず一口飲んでみると、数分後、じわじわとだるさが軽減していくのが感じられた。
「ああ、少し楽になってきたかも」
「放出量に変化はなさそうなので、これならなんとかなるかもしれません。ですが無理は禁物です。おかしいと思ったら、すぐに殿下か私に知らせて下さい」
時間がなくて完全に魔力が回復するのを待つことはできなかったが、徐々に体調が戻っていると感じられたのでそのままパーティー会場となるダンスホールへと向かった。
「マリコ!気分が優れないんだって?大丈夫?無理をしてはいけないよ?」
途中で合流したエドが、私の顔を見るなりかけ寄ってきて、心配してくれる。
「お薬をもらって回復してきてるから大丈夫」
「できれば休ませてあげたいのだが‥‥極力動かずに座っていられるようにしよう。辛くなったらすぐ私に言うんだよ?」
「ありがとう、エド」
少しでも安心してもらいたくて笑顔を見せると、エドがキスでそれに応え、その熱を落ち着かせる間もなく私達は会場入りした。
盛大な拍手で迎えられた私達は、国王陛下に寄って紹介されエドが簡単に挨拶をし、その流れのままダンスへと移行する。
最初に私とエドが踊ることでパーティーが始まるのだ。ダンスも王妃教育で叩き込まれた内のひとつである。
「リラックスして私に身を任せていれば大丈夫だ。マリコは私だけを見ていればそれでいい」
この距離感でそんな甘い言葉を囁かれてしまうと、一気にエドの世界に引きずり込まれてしまう‥‥ああ!私の夫がキラキラし過ぎて目が潰れそうだ!