聖母のマリ子
「マリコ様、こちらをお飲み下さい」
ダンスを終えるとジュリアに水の入ったグラスを渡され、ちょうど喉も渇いていたので言われるままそれを飲み干した。
「ん?これ、水じゃない?」
「水で薄めてありますがポーションです。ダンスで消費されていたようなので‥‥」
慣れないダンスで疲れたのかと思いきや、魔力を放出しちゃってたのか。ああ、確かにポーションが効いてきてるわー。
「これから主要な貴族が挨拶に来る。話は私がするから、マリコは座っているだけでいい。大変だろうけど頑張れるか?」
「ありがとう。座ってるだけなら問題ないよ」
「辛そうにしてるマリコを目にするのは私も辛いな‥‥はあ‥‥早く君を休ませてあげたい‥‥」
そんなことを言いながらも私の手を握るエドの指は不埒な動きをしており‥‥ようやく初夜を迎えられる今日という日に、彼が私を早く休ませるつもりがあるのかは果てしなく謎である。
「‥‥殿下、宰相殿がお待ちです」
隙あらばピンクな空気を漂わせようとするエドに、彼の側近であるジェラルドが慣れた様子で声をかけた。
「ああ、そうだったな。私の妃を休ませるためにも、さっさと終わらせてしまおう」
そんな不謹慎な物言いをしつつ顔に王太子の仮面を貼りつけたエドが用意された椅子まで私をエスコートし、貴族達の挨拶を受ける時間が始まった。
「予言の姫を王族に迎えることができて、この王国もますます安泰ですな!マリコ様、お世継の誕生を楽しみにしております。おふたりのお子ならば、さぞかわいらしいでしょうな!」
「ありがとうございます。みなさんの期待に添えるよう努力致します」
「早くも殿下はマリコ様に夢中なご様子‥‥さすがは運命の姫君!マリコ様に続いて王族に新たな家族が増えるのもそう先のことではなさそうで安心致しました!」
「とても大切にして頂いて私は幸せ者ですね。この恩に報いるため努力致します」
基本的な対応はエドがしてくれるが、みんな異世界から来た私に興味津々で、直接話しかけられてしまえば私が受け答えするしかなく‥‥どの人も二言目には子供の話をしてくるので、私は『(子作りを)努力致します』と宣言し続けるbotと化した。
私なんてどうせ『目指せ100人!』の出産マシーンじゃないか。今更追加で『子作り宣言bot機能』がついたところでなんてことはない。
私は羞恥心を自虐で誤魔化し、異世界のマタハラ親父集団の攻略に成功した。
ダンスを終えるとジュリアに水の入ったグラスを渡され、ちょうど喉も渇いていたので言われるままそれを飲み干した。
「ん?これ、水じゃない?」
「水で薄めてありますがポーションです。ダンスで消費されていたようなので‥‥」
慣れないダンスで疲れたのかと思いきや、魔力を放出しちゃってたのか。ああ、確かにポーションが効いてきてるわー。
「これから主要な貴族が挨拶に来る。話は私がするから、マリコは座っているだけでいい。大変だろうけど頑張れるか?」
「ありがとう。座ってるだけなら問題ないよ」
「辛そうにしてるマリコを目にするのは私も辛いな‥‥はあ‥‥早く君を休ませてあげたい‥‥」
そんなことを言いながらも私の手を握るエドの指は不埒な動きをしており‥‥ようやく初夜を迎えられる今日という日に、彼が私を早く休ませるつもりがあるのかは果てしなく謎である。
「‥‥殿下、宰相殿がお待ちです」
隙あらばピンクな空気を漂わせようとするエドに、彼の側近であるジェラルドが慣れた様子で声をかけた。
「ああ、そうだったな。私の妃を休ませるためにも、さっさと終わらせてしまおう」
そんな不謹慎な物言いをしつつ顔に王太子の仮面を貼りつけたエドが用意された椅子まで私をエスコートし、貴族達の挨拶を受ける時間が始まった。
「予言の姫を王族に迎えることができて、この王国もますます安泰ですな!マリコ様、お世継の誕生を楽しみにしております。おふたりのお子ならば、さぞかわいらしいでしょうな!」
「ありがとうございます。みなさんの期待に添えるよう努力致します」
「早くも殿下はマリコ様に夢中なご様子‥‥さすがは運命の姫君!マリコ様に続いて王族に新たな家族が増えるのもそう先のことではなさそうで安心致しました!」
「とても大切にして頂いて私は幸せ者ですね。この恩に報いるため努力致します」
基本的な対応はエドがしてくれるが、みんな異世界から来た私に興味津々で、直接話しかけられてしまえば私が受け答えするしかなく‥‥どの人も二言目には子供の話をしてくるので、私は『(子作りを)努力致します』と宣言し続けるbotと化した。
私なんてどうせ『目指せ100人!』の出産マシーンじゃないか。今更追加で『子作り宣言bot機能』がついたところでなんてことはない。
私は羞恥心を自虐で誤魔化し、異世界のマタハラ親父集団の攻略に成功した。