聖母のマリ子
早速昨日から今朝にかけて起こった多量の魔力放出についてこと細かに説明を求められた。
といっても魔力の放出は無自覚に起こっているため、私の代わりにジュリアが状況を説明してくれた。私はその時の体の状態や気分を覚えている限りで説明する。
「発生原因として考えられるのは、今のところ運動・緊張・興奮・動揺・羞恥‥‥あたりですかね?それが単体で起こっているのか、もしくはいずれかが重なることで起こっているのか、またはその全てが必要条件なのか‥‥その他との比較もしながら検証していくのがいいでしょう」
「ジャンさんは桃の属性について研究されてるんですよね?その後何か新しいことはわかりましたか?」
直近の問題が魔力放出であることは理解しているが、やはりどうしても桃の属性のことが気になって質問してみると、ジャンさんが大司教に目線を送って返答を渋った。
大司教が頷き返したのを確認し、ジャンさんが口を開く。
「桃の属性については残っている資料があまりにも少なく、歴史を紐解いて予測することしかできないのが現状です。初代国王の伴侶として降臨したとされる聖女ミアが桃の属性のはじまりであり、その多くが彼女の判断で秘匿とされました。そしてその全てがベールに包まれたまま解き明かされることなく消失してしまったのです。聖女ミアとマリコ様には共通する部分があまりにも多い。長年桃の属性を研究してきた者として、純粋にマリコ様への興味が尽きないというのが正直なところです。マリコ様さえよろしければ是非とも色々お伺いしたいと考えており、それをきっかけにして桃の属性の研究が大きく前進すると確信しております!」
ジャンさんは研究者らしいオタク気質だったようで、急に早口で捲し立てられちょっと引いてしまった。でも桃の属性のことを知ることができるなら、オタクだろうと早口だろうとどんとこいである。
「全く問題ないです!ジャンさん、一緒に桃の属性の謎を解き明かしましょう!」
ジャンさんの勢いに流され、私達は興奮気味に手をとり合い、頷き合った。
「私の妃の手を離せ‥‥」
室内が暗黒オーラに包まれたのを感じ、私達は手を取り合ったまま、恐る恐る振り返る。
「貴様‥‥殺されたいのか?」
「エド!」
私は大慌てで手を振りほどき、本当に人を殺し兼ねない顔をしている夫に駆け寄った。
エドはすぐさま私の手に口づけて、それでも足りずに熱烈なキスをすると、そのまま押し倒さんばかりの勢いで私を貪り続けた‥‥
そんな私とエドをみんなが見守っている‥‥
お願い‥‥誰か、彼を止めてくれ‥‥
といっても魔力の放出は無自覚に起こっているため、私の代わりにジュリアが状況を説明してくれた。私はその時の体の状態や気分を覚えている限りで説明する。
「発生原因として考えられるのは、今のところ運動・緊張・興奮・動揺・羞恥‥‥あたりですかね?それが単体で起こっているのか、もしくはいずれかが重なることで起こっているのか、またはその全てが必要条件なのか‥‥その他との比較もしながら検証していくのがいいでしょう」
「ジャンさんは桃の属性について研究されてるんですよね?その後何か新しいことはわかりましたか?」
直近の問題が魔力放出であることは理解しているが、やはりどうしても桃の属性のことが気になって質問してみると、ジャンさんが大司教に目線を送って返答を渋った。
大司教が頷き返したのを確認し、ジャンさんが口を開く。
「桃の属性については残っている資料があまりにも少なく、歴史を紐解いて予測することしかできないのが現状です。初代国王の伴侶として降臨したとされる聖女ミアが桃の属性のはじまりであり、その多くが彼女の判断で秘匿とされました。そしてその全てがベールに包まれたまま解き明かされることなく消失してしまったのです。聖女ミアとマリコ様には共通する部分があまりにも多い。長年桃の属性を研究してきた者として、純粋にマリコ様への興味が尽きないというのが正直なところです。マリコ様さえよろしければ是非とも色々お伺いしたいと考えており、それをきっかけにして桃の属性の研究が大きく前進すると確信しております!」
ジャンさんは研究者らしいオタク気質だったようで、急に早口で捲し立てられちょっと引いてしまった。でも桃の属性のことを知ることができるなら、オタクだろうと早口だろうとどんとこいである。
「全く問題ないです!ジャンさん、一緒に桃の属性の謎を解き明かしましょう!」
ジャンさんの勢いに流され、私達は興奮気味に手をとり合い、頷き合った。
「私の妃の手を離せ‥‥」
室内が暗黒オーラに包まれたのを感じ、私達は手を取り合ったまま、恐る恐る振り返る。
「貴様‥‥殺されたいのか?」
「エド!」
私は大慌てで手を振りほどき、本当に人を殺し兼ねない顔をしている夫に駆け寄った。
エドはすぐさま私の手に口づけて、それでも足りずに熱烈なキスをすると、そのまま押し倒さんばかりの勢いで私を貪り続けた‥‥
そんな私とエドをみんなが見守っている‥‥
お願い‥‥誰か、彼を止めてくれ‥‥