ひとたらしどうし
「あとどれくらいで、あいだ空きそうですか?」


ここのベルト、ちょっと甘くなってるので次のあいだで締めちゃいますね。


言いながら、工具を取り出した白石さん。


「あ、えっと、あとラック2台くらいなので、10分位したら空きます」


「おー、10分かー。じゃあ、準備とかして待ってようかな。大丈夫かな?迷惑?」


「全ッぜんッ!!迷惑なわけないじゃないですかッ!!」


…思いのほか、響いた私の大声にも。


「ふふ。そう?なら、良かった、です」


鼻先を人差し指で擦りながら、また、にこやかに笑う白石さん。


そうしてただ、ひたすらに。


その笑顔から目が離せなくなる、私。


…あぁ、もう、どうしろ、と…?






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