ひとたらしどうし
赤信号で停まった車。


「柚ちゃん」


私を呼ぶ、叶夢さんのやさしい声が、車内に響いた。


信号が変わるタイミングを見ていた私は、叶夢さんの声で、視線を叶夢さんへ。


その、一瞬の、こと。


淡く香った、ミントと、


ゆっくりと、叶夢さんの顔が私の顔に近付いてきたと思った、ら。





< 174 / 460 >

この作品をシェア

pagetop