ひとたらしどうし
「おッ。なんか良いことでもありました?」


なんだか嬉しそうですね。


…白石さんの姿を眺められる時間がシアワセすぎるなんて、絶対に言えない…



「えっ?!そう、ですか?」


うん。ほら、にこにこしてる。


私の目線に合わせるように、少し腰を折って、私の目もとをくるくるとまわした人差し指で、指してみせた。


そんな仕草は、ずるいと思う。


普段は好きじゃない制服も、マスクも。


今は良かったと思える。


瞬時に赤くなってしまった頬を、隠してくれたから。




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