ひとたらしどうし
息が、苦しくなってしまうほどの、くちづけが続いて。


リップノイズの隙間で、ようやく息をする。


はぁはぁと、漏れる吐息は、ほんとうに私の喉から出たものなのか。


頭の芯がぼーっとする。


膝から崩れ落ちそうになる私を、瞬時に支えてくれた叶夢さんに、必死でしがみついた。



「おいで」


私の背中と、膝の下にそれぞれ手を差し入れた叶夢さんは、そのまま横抱きに私を抱き上げた。








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