ひとたらしどうし
と、こんこん、と、バスルームのドアをノックする音がして。


「柚ちゃん、もう、お湯に浸かってる?湯加減はどう?」


叶夢さんの声がして、そのとたんに、さっきの生々しい映像が脳裏によみがえる。


「…は、はいッ!…ゆ、かげん、バッチリっす!!」


裏がえった、私の返答、と、


がちゃり、と音がして、ドアが開いたのは同じタイミング。


……きゃ…!!


思わず漏れた、ちいさな悲鳴は、


開けられたドアの向こうで、バスタオルを腰に巻いただけの格好の叶夢さんと目があったから。









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