ひとたらしどうし
その、瞬間にはもう、私のくちびるにやさしく触れる、叶夢さんのくちびる。


「このタイミングで目を閉じるなんて、策士だな。策士」


このー。


なんて、こつん、と、私のおでこにおでこを当てた、叶夢さん。


「…だって、叶夢さんに触れられたら、それだけでなんか、変な気持ちに…」


「…だめだめだめだめだめだめ…!!ちょ、ちょっと勘弁して!そんなことつらっと言われたら、オレのほうが我慢できなくなるから!!」


ふたりきりのベッドの中で、向き合って見つめ合う。






< 318 / 460 >

この作品をシェア

pagetop