ひとたらしどうし
少し前まで。


叶夢さんの名前を、呼び捨てにするくらいの間柄の女性が現れて。


その女性が、叶夢さんの手首を引いていて。


叶夢さんとその女性が、親密そうな空気を纏っていることにショックを受けそうになった、けれど。


叶夢さんの態度、が、すべてを物語っていて。


とてつもない、安心感に包まれた。


私を見る、叶夢さんの視線だけで。


“今“


この瞬間。


叶夢さんに愛されているのは、私なのだと。


そう思わせてくれた叶夢さんを、しっかりと見つめた。












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