ひとたらしどうし
「実奈ちゃん、実奈ちゃん。今日も仕事上がったら迎えに来るからね」


いつの間にか、実奈ちゃんのそばにすり寄ってきたのは、実奈ちゃんの彼の大輔くんだ。


年下が好きなんだよねー。言っていた、実奈ちゃんがしっかり惚れさせた3つ年下で、とても優しい。


「夕ごはんはオムライスがいいなー。オレ、実奈ちゃんのオムライスがいちばん好き!!」


なんて、満面の笑みを浮かべる大輔くんに、


もー、仕方がないなぁ。


言いながらも、嬉しそうな実奈ちゃんが可愛らしい。


ふたりの間には、おだやかな優しい空気が流れていて、こちらまで嬉しくなる。


「シアワセのお裾分けをどーも」


思わず言わずにはいられない雰囲気に、満ちている。


「柚ちゃんってさ、そういうとこ素直ってか、いじらしいってか、なんていうか…好き」


そんな風に言ってくれた実奈ちゃん。


ほんッとにイイコなんだからー、もうッ!好き好きッ!!


なんて言いながら、私の白い帽子越しの頭をぐりぐりと撫で回す。











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