ひとたらしどうし
「ほら、どうぞ。ミントタブレットもむちゃくちゃあるから、今度処理するの手伝って」


ふふ。


照れて笑う目元と、白石さんが差し出してくれた、柚子色のクマさんを見つめた。


「白石さん。私、そっちのクマさんがいいです」


白石さんのお財布で揺れている、レインボーのクマさんを指差した。


…え、でも…


「白石さんの『夢色』のクマさんを持っていれば、白石さんに会えない日も、嬉しいから」


「……、」


黙ってしまった白石さんに、


「…あ…れ、私なんか、変なこと…」


その目を見つめたら、なんとも言えない目の色に捕まった。


その、瞬間の、ことー















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