ひとたらしどうし
「……わ…、」


びっくりした表情を浮かべている、白石さん。


我慢できずに、私がその頬に手を伸ばしたからだ。


びっくりしたからだろう。


一瞬、軽く身を引いた白石さん。


でもすぐに、もとに姿勢に戻って、されるがままになっている。


初めて触れた、その頬は、想像していた通りふんわりあたたかい。


さわさわと、触れていたら、


「ふふ。キモチイイなぁ」


目を閉じて、私を受け入れてくれる。


「…ずっと、触れてみたかったんです」


「そう?これからはいつでも、大歓迎だよ?」


ふたりだけの空間で、笑みが溢れるこの瞬間を、ココロに刻み付けた。


ずっとずっと、忘れずにいるだろうと、思った、夕方の1日。









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