熱いランタンの光と。
「はあ、何してるのかなって来てみたのに、このきったない部屋。ゴミ屋敷じゃない。上がるのも躊躇したわ。」

 確かに、僕の部屋は汚い。
 
 でも問題ないはずだ。人をあげたことなんかないし。自分が生活できればいいから。

 というか、勝手に部屋にあがったのは女の方だ。

「躊躇どころじゃなくて、帰ってもらっていいんだけど。」

 僕は彼女を見ずに言う。こんなことが言えるのは、こいつだからかもしれない。
 
 彼女は、はあ、と大きなため息をついて言った。白い髪は、彼女にとってはコンプレックスらしいが、僕は綺麗だと思う。ストレートな白い髪。今日は綺麗にまとめられている。

「わざわざ来てやったんだから、その言い方はないでしょう。」

「何をしに来たんだよ。」

「あんたねぇ、学校ずうっと休んでるじゃない。ちょっとくらい、心配だってするのよ?」

僕は元気だ。心配はいらないはず。なんで休んでる、とか、聞かれることもあるけどただのずる休み。

「そりゃどーも。」

「大丈夫なの?元気なの?」

 僕は元気だ。だからこうやって生活している。

「あぁ。」

「なら良かった、せっかく来たんだし、なにかしようか?いや、元気そうだし、いいかな?」

 僕は元気だ。だから自分1人で、生活ができる。

「いい、帰れ。」

「やだ。」

「帰ってくれ。早く‥」

 言葉がぷつりと途切れる。

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