復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
「ルイーズを愛しているから、西の塔へは送らず宮殿に留めたと手紙には書いてあったのですが、それならどうして、ろくな捜査もせずに処罰を決めたのか。言ってることが滅茶苦茶で」
公爵は思ったよりも冷静に分析していた。
「閣下、ルイーズの遺体は確認されていないのですよね?」
「ええ」
一呼吸おいて「ただ、状況的に難しいです」と言いよどんだ。
うかつに期待だけを持たせてはいけない。
公爵は静かに瞼を落とす。
「婚約から事件まで、公爵が知る限りのすべてを話してくださいませんか」
まずは、ルイーズ事件そのものを把握しなければならない。
なぜルイーズが、皇太子の婚約者になったのか、アレクサンドは知らなかった。
「そうですね……」
公爵は長い息を吐き、ワイングラスをテーブルに置くと、ゆっくり口を開く。
「当時、私は閣下とルイーズの結婚を願っていました。実はそれがマリィの遺言でもあったのです」
「遺言? マリィの?」
公爵は頷く。
公爵は思ったよりも冷静に分析していた。
「閣下、ルイーズの遺体は確認されていないのですよね?」
「ええ」
一呼吸おいて「ただ、状況的に難しいです」と言いよどんだ。
うかつに期待だけを持たせてはいけない。
公爵は静かに瞼を落とす。
「婚約から事件まで、公爵が知る限りのすべてを話してくださいませんか」
まずは、ルイーズ事件そのものを把握しなければならない。
なぜルイーズが、皇太子の婚約者になったのか、アレクサンドは知らなかった。
「そうですね……」
公爵は長い息を吐き、ワイングラスをテーブルに置くと、ゆっくり口を開く。
「当時、私は閣下とルイーズの結婚を願っていました。実はそれがマリィの遺言でもあったのです」
「遺言? マリィの?」
公爵は頷く。