復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
「似ていますよね?」
聞くまでもなかった。
「髪と瞳の色以外はすべて。声までそっくりです」
興奮を隠せないように、公爵は「そうですか、記憶を……」と呟く。
公爵はポケットから、アレクサンドがハヤブサに託した花の刺繍のハンカチを取り出し、ジッと見つめる。
「実はこの刺繍が気になって駆けつけたんです」
父親が言うのだから間違いないかと、アレクサンドもまた気が急いた。
「本人だと、確証できる決め手はありませんか? 持ち物はすべて取り上げられたようで、特になにも持っていなかったそうですが」
「カメオのネックレスはなかったのですか?」
マリィが亡くなってすぐ、ルルはマリィの横顔を刻んだカメオを作り肌身はなさず持っていたという。
「聞いた話では、カメオをネックレスにして身につけることだけは許されていたはずですが」
「そうですか……」
少なくともルルはなにも身につけていなかった。
「彼女にもう一度会わせてもらえませんか?」
聞くまでもなかった。
「髪と瞳の色以外はすべて。声までそっくりです」
興奮を隠せないように、公爵は「そうですか、記憶を……」と呟く。
公爵はポケットから、アレクサンドがハヤブサに託した花の刺繍のハンカチを取り出し、ジッと見つめる。
「実はこの刺繍が気になって駆けつけたんです」
父親が言うのだから間違いないかと、アレクサンドもまた気が急いた。
「本人だと、確証できる決め手はありませんか? 持ち物はすべて取り上げられたようで、特になにも持っていなかったそうですが」
「カメオのネックレスはなかったのですか?」
マリィが亡くなってすぐ、ルルはマリィの横顔を刻んだカメオを作り肌身はなさず持っていたという。
「聞いた話では、カメオをネックレスにして身につけることだけは許されていたはずですが」
「そうですか……」
少なくともルルはなにも身につけていなかった。
「彼女にもう一度会わせてもらえませんか?」