復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
 マロは手分けをして一晩のうちに領地内の店を回り、似ていると思われるカメオのネックレスを揃えたのである。

 怪訝そうにルルが朝食の後片付けをしていると、扉がノックされた。

 失礼しますと入ってきたのはマロだ。

「店にカメオを持ちこんだ男から、話を聞いてきました」

「そのまま、続けてくれ」

 マロは軽く会釈をして続ける。

「沢に落ちていたのを見つけたそうです。嘘をついている様子はありませんでした。チェーンは切れていたので店がつけ替えたそうです。こちらが、切れていたチェーンです」

 チェーン自体の質がいいので、あとで加工しようと店が保存していたらしい。

「場所はどの辺だ?」

 立ち上がった大公の先に山の模型がある。

 それは魔獣の山の模型で、大まかな棲息地など印がついている。以前、大公にルルが見つかった洞窟を模型で教えてもらっていた。

「説明から察するに、このあたりでしょう。双子大岩の辺りだと言ってましたから」

 客も気になるのか立ち上がった模型のもとへ行く。

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