復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
吐き捨てて向かうのは皇后宮だ。
ルイーズの遺体がでてきていなかったおかげで上手くごまかせた。
ゴーティエさえ、取引に応じればすべてがうまくいく。
だが、肝心のゴーティエ公爵が腰を上げない。
やはり、疑っているのか――。
皇后宮は、多くの近衛兵が出入り口を守っていた。
ディートリヒに気づき、一斉に敬礼し、道を作る。
作られたその道を進み、別の兵が守る扉の前に立った。
「嫌だ! 話が違うじゃないか! こんな部屋に閉じ込められてどこにも行けないなんて聞いてないよ!」
中から漏れる声に、頭が痛くなる。
溜め息をつき、扉を開けた。
「あ、陛下」
満面の笑みを浮かべた〝ルイーズ〟が、ドレスを摘まんで走ってくる。
「やあルイーズ」
侍女にお茶の用意を申しつけ、ルイーズに微笑みかけた。
「陛下、寂しかったですよぉ」
猫なで声のこの女は、ルイーズにそっくりの顔をしている。
髪と瞳の色は魔法具を使って完璧に変えているが、中身はどうにもできない。
ルイーズの遺体がでてきていなかったおかげで上手くごまかせた。
ゴーティエさえ、取引に応じればすべてがうまくいく。
だが、肝心のゴーティエ公爵が腰を上げない。
やはり、疑っているのか――。
皇后宮は、多くの近衛兵が出入り口を守っていた。
ディートリヒに気づき、一斉に敬礼し、道を作る。
作られたその道を進み、別の兵が守る扉の前に立った。
「嫌だ! 話が違うじゃないか! こんな部屋に閉じ込められてどこにも行けないなんて聞いてないよ!」
中から漏れる声に、頭が痛くなる。
溜め息をつき、扉を開けた。
「あ、陛下」
満面の笑みを浮かべた〝ルイーズ〟が、ドレスを摘まんで走ってくる。
「やあルイーズ」
侍女にお茶の用意を申しつけ、ルイーズに微笑みかけた。
「陛下、寂しかったですよぉ」
猫なで声のこの女は、ルイーズにそっくりの顔をしている。
髪と瞳の色は魔法具を使って完璧に変えているが、中身はどうにもできない。