復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
彼に恥をかかせないためもあるが、ルルは精一杯楽しもうと思っていた。
「宝石も遠慮なく、ダイヤだろうがルビーだろうが買うといい」
「ありがとうございます」
大公家は領地でも質素な暮らしをしてきたため、資産はふんだんにある。
結婚してすぐ、カンタンから大公家の財政状況を説明されたときは本当に驚いた。ゴーティエ公爵家も豊かだったが、桁が違う。
凄いのは、アレクサンドがひとりで築き上げたという事実だ。
魔獸のいる辺境の地に、初めて足を踏み入れたとき、彼はどんな心境だったのか。
何十年と放置され荒れ果てていた烏城で。
あの日、ルルは彼のために泣いた。
そのときの涙を思い出し、喉の奥が苦しくなる。
「そうだルル」
階段を上る前に立ち止まったアレクサンドは、ポケットから小さな箱をとりだした。
「このアメジストには、意外と強い魔力が効いているらしい。ブレスレットに作り変えておいた」
「宝石も遠慮なく、ダイヤだろうがルビーだろうが買うといい」
「ありがとうございます」
大公家は領地でも質素な暮らしをしてきたため、資産はふんだんにある。
結婚してすぐ、カンタンから大公家の財政状況を説明されたときは本当に驚いた。ゴーティエ公爵家も豊かだったが、桁が違う。
凄いのは、アレクサンドがひとりで築き上げたという事実だ。
魔獸のいる辺境の地に、初めて足を踏み入れたとき、彼はどんな心境だったのか。
何十年と放置され荒れ果てていた烏城で。
あの日、ルルは彼のために泣いた。
そのときの涙を思い出し、喉の奥が苦しくなる。
「そうだルル」
階段を上る前に立ち止まったアレクサンドは、ポケットから小さな箱をとりだした。
「このアメジストには、意外と強い魔力が効いているらしい。ブレスレットに作り変えておいた」