復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
 ドラゴン祭で買ってもらったネックレスを、アレクサンドが魔塔で調べてもらっていたのである。

「手を出して」

 ルルが左手を差し出すと、アレクサンドは手首にブレスレットをつけた。

 ルルの口から感嘆の声が漏れる。

 アメジストだけじゃない。色とりどりの小さな宝石を組み込んだ、美しいブレスレットだ。

「輝きが、どこか違うような?」

「輝きを倍増させる魔法も使われているらしい。それぞれに力をこめたと言っていたぞ。邪気を寄せつけないとか、石自体の保護とかな」

「凄いです」

 いろんな色を使っているから、どんなドレスにも合う。

「魔塔の魔法使いのお祝いだそうだ」

 アレクサンドは彼らに、魔法薬のもととなる魔獣の血や体液を格安で、ときには無償で渡しているし、魔道具を高値で購入したりと、陰日向で支えている。

 普段からの彼の支援があればこそだ。

 宝石の輝きに、お金では買えない真心を感じる。

「アレックスのおかげです。ありがとう」

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