復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
「お父様、ディートリヒには疑われずに済んだの?」
「大丈夫だ。最初はルイーズに会わせてもらってから考えるとつっばねたんだが、好条件を並べてな。ルイーズは偽者だと先に白状したよ」
彼にしては珍しく、ルイーズにはかわいそうなことをした、申し訳なかったと、謝ったという。
「犯人はあくまでもあの場で殺された実行犯の侍従だと、とってつけたような理由を言っていた」
「かわいそうに」
侍従には弱みがあった。彼はあの事件で一緒に殺された側室の愛人だったのだ。
おそらくディートリヒに証拠をつかまれ、身動きが取れなかったのだろう。
「ディートリヒは自分も被害者だと泣いたんだ。保身のためとはいえ、涙まで流せるのかと呆れたよ」
目に浮かぶようだ。
「あの人は自分の言葉に酔えるから」
言いながら本気で被害者の気分にでもなったのだろう。
彼の本質を知らない人は、簡単に騙される。
「大丈夫だ。最初はルイーズに会わせてもらってから考えるとつっばねたんだが、好条件を並べてな。ルイーズは偽者だと先に白状したよ」
彼にしては珍しく、ルイーズにはかわいそうなことをした、申し訳なかったと、謝ったという。
「犯人はあくまでもあの場で殺された実行犯の侍従だと、とってつけたような理由を言っていた」
「かわいそうに」
侍従には弱みがあった。彼はあの事件で一緒に殺された側室の愛人だったのだ。
おそらくディートリヒに証拠をつかまれ、身動きが取れなかったのだろう。
「ディートリヒは自分も被害者だと泣いたんだ。保身のためとはいえ、涙まで流せるのかと呆れたよ」
目に浮かぶようだ。
「あの人は自分の言葉に酔えるから」
言いながら本気で被害者の気分にでもなったのだろう。
彼の本質を知らない人は、簡単に騙される。