復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
「え? なにを言ってるんですか? 烏城はカンタン様に託すとおっしゃいましたよね?」

 バルコニーで大衆を前にしてなにを言い出すのやらと、呆れていると、彼は溜め息をつく、

「だって、ここは嫌な思い出しかないだろう?」

 ああ、なるほどとルルは笑った。

 優しい彼はルルを心配しているのだ。この宮殿にはつらい思い出が多いから。

「私は平気ですよ」

 ルルはアレクサンドの手を取る。

「あなたさえいてくれれば、たとえ地獄でも、私には天国ですから」

「地獄ってお前な」

 弾けるように笑ったアレクサンドは、ルルの両頬を両手で包む。

「愛してる。俺もお前さえいてくれれば、なにもいらない」

 口づけを交わすふたりを、更なる歓声が包み込む。


 重なる唇から愛が溢れ、
 甘い蜜の味がした。


* fin *
 
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