復讐は蜜の味 ~悪女と言われた公爵令嬢が、幸せを掴むまで~
ガタッと大きく馬車が揺れて、ルイーズは床に転がった。
荷物を運ぶような粗末な馬車は座面もなく大きく揺れる。
なんとか起き上がり、膝を抱えると、御者の話し声が聞こえてきた。
「相変わらず不気味な道だ」
「先週向かった馬車も魔獣に襲われたらしぞ」
魔獣と聞いて背筋がぞわりとした。
西の塔は帝都をでて西に向かい、森の中にある。
その森にたどり着くには魔獣が棲息する山を通らなければいけなかった。
どうやら、山道を進んでいるらしい。
「荷台をはずすのは、もう少し先がいいか?」
「ああ、そうだな。誰にもバレないように放置しろっていうんだから、高い草むらでもないとな」
ショックのあまりカタカタと歯が音を立てた。
(私は魔獣の山に捨てられるの?)
男たちの会話は続く。
「西の塔に入るくらいなら魔獣に喰われた方がましだと言うぞ」
体を震わせながら必死に耳を塞いだ。
なにも知りたくない。
どうか、一瞬で母のもとに逝けますようにと願うだけだ。
荷物を運ぶような粗末な馬車は座面もなく大きく揺れる。
なんとか起き上がり、膝を抱えると、御者の話し声が聞こえてきた。
「相変わらず不気味な道だ」
「先週向かった馬車も魔獣に襲われたらしぞ」
魔獣と聞いて背筋がぞわりとした。
西の塔は帝都をでて西に向かい、森の中にある。
その森にたどり着くには魔獣が棲息する山を通らなければいけなかった。
どうやら、山道を進んでいるらしい。
「荷台をはずすのは、もう少し先がいいか?」
「ああ、そうだな。誰にもバレないように放置しろっていうんだから、高い草むらでもないとな」
ショックのあまりカタカタと歯が音を立てた。
(私は魔獣の山に捨てられるの?)
男たちの会話は続く。
「西の塔に入るくらいなら魔獣に喰われた方がましだと言うぞ」
体を震わせながら必死に耳を塞いだ。
なにも知りたくない。
どうか、一瞬で母のもとに逝けますようにと願うだけだ。