溺愛社長の2度目の恋
私が檜垣さんを好きになってこの関係が終わったところで、母親避けがなくなったくらいでさほど問題はないはず。
「へー、あの人そんなこと言うんだ」
彼は苦々しい顔になったけれど、なんでだろう。
「ところで。
今日はいろいろ引っ張り回して悪いな」
気持ちを切り替えるように座り直し、檜垣さんがこちらを向く。
「いえ、全然」
自分の知らない業界の話を聞くのは楽しかったし、それに。
彼の仕事ぶりを見て好感度は上がった。
あんなに嫌々だったのに、来てよかったと思っているくらいだ。
「オープンしたら夏音ちゃんを一番に招待するな。
いや、いっそプレオープンで俺らの結婚式、挙げちゃう?」
想像しているのか、檜垣さんは酷く楽しそうだ。
「いや、それは……」
確かに今日は、彼に対する好感度は上がった。
しかし、それだけだ。
恋に鈍い私だが、それでもこの気持ちが恋心に変わらないのだけはわかる。
「楽しみだなー、夏音ちゃんとの結婚式」
そんな未来が来ないのはわかっていたが、私にははっきりと言う勇気がなかった。
夕食はホテル内のフレンチだった。
「九州の店も先週地鎮祭したんだ。
こっちも棟上げに招待するから、夏音ちゃん来てよ」
「考えておきますね」
「へー、あの人そんなこと言うんだ」
彼は苦々しい顔になったけれど、なんでだろう。
「ところで。
今日はいろいろ引っ張り回して悪いな」
気持ちを切り替えるように座り直し、檜垣さんがこちらを向く。
「いえ、全然」
自分の知らない業界の話を聞くのは楽しかったし、それに。
彼の仕事ぶりを見て好感度は上がった。
あんなに嫌々だったのに、来てよかったと思っているくらいだ。
「オープンしたら夏音ちゃんを一番に招待するな。
いや、いっそプレオープンで俺らの結婚式、挙げちゃう?」
想像しているのか、檜垣さんは酷く楽しそうだ。
「いや、それは……」
確かに今日は、彼に対する好感度は上がった。
しかし、それだけだ。
恋に鈍い私だが、それでもこの気持ちが恋心に変わらないのだけはわかる。
「楽しみだなー、夏音ちゃんとの結婚式」
そんな未来が来ないのはわかっていたが、私にははっきりと言う勇気がなかった。
夕食はホテル内のフレンチだった。
「九州の店も先週地鎮祭したんだ。
こっちも棟上げに招待するから、夏音ちゃん来てよ」
「考えておきますね」