溺愛社長の2度目の恋
第8話　……最低だ
「……ううっ。
頭、痛い……」

酷い頭痛と喉の渇きで目が覚めた。

「何時……？」

薄暗い部屋の中、起き上がって携帯に手を伸ばしたところで、いっぺんに意識が覚醒した。

……なんで、檜垣さんがここに？

私の隣では檜垣さんが気持ちよさそうに眠っている。
しかも――裸で。

「えっ、どういうこと？」

思わず自分の身体を確認したが、私もなにも着ていなかった。
感覚的にわかっていながら、布団も捲って確認する。
やはりそこに、下着はなかった。

……これはやはり、そういうこと？

必死に昨晩なにがあったか思い出そうとするが、檜垣さんに自分をどう思っているかと聞かれたところから記憶が曖昧だ。
私と檜垣さんとのあいだになにが?
って、この状況だと答えはひとつしかない。

「嘘っ!?」

悲鳴のような声が漏れる。
それに反応して、檜垣さんがもそりと動いた。

「んんー、……夏音ちゃん、もう起きたのか……」

眠そうに目を擦りながら、彼が起き上がる。

「おはよう、夏音ちゃん。
昨日は最高の一夜をありがとう」

私の顔を見て、意味深に彼が笑う。
やっぱりこれはそういうこと?
有史さんになんて説明すればいいんだろう。
一気に血の気が引いていった。
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