溺愛社長の2度目の恋
彼女はにっこりと笑ったが、それは貧乏人の私はお金で言うことを聞かせられるといっているようで、さらに反発心が生まれただけだった。
「お断りします」
離婚届とメモ帳――小切手帳を、彼女のほうへと押し戻す。
想定外の反応だったらしく、お義母さんは笑顔のまま固まっている。
「な、なにをおっしゃっているの!」
しかし一拍あと、ようやく状況を理解したのか、金切り声を上げた。
「こちらが下手に出たら、いい気になって!」
あれでお義母さんとしては下手に出ていたのか。
完全に上から目線で、火に油を注ぐだけでしたが?
「有史さんの口から別れてくれと言われたのなら、考えます。
でも、そうじゃないのなら絶対に別れません。
お引き取りを」
強い意志で、彼女を睨みつける。
これ以上ないほど、私は冷静だった。
「そういうことなんで、お引き取り願いますか?」
さらに末石専務が、お義母さんを無理矢理立たせる。
「あなたたち、こんなことをして許されると思ってるの!」
「ええ。
私も有史から直接聞くまでは、あなたの言葉を信じません。
出ていってください」
「こんな会社、私の一存でどうとでもなるんですからね!」
「そうですか」
「お断りします」
離婚届とメモ帳――小切手帳を、彼女のほうへと押し戻す。
想定外の反応だったらしく、お義母さんは笑顔のまま固まっている。
「な、なにをおっしゃっているの!」
しかし一拍あと、ようやく状況を理解したのか、金切り声を上げた。
「こちらが下手に出たら、いい気になって!」
あれでお義母さんとしては下手に出ていたのか。
完全に上から目線で、火に油を注ぐだけでしたが?
「有史さんの口から別れてくれと言われたのなら、考えます。
でも、そうじゃないのなら絶対に別れません。
お引き取りを」
強い意志で、彼女を睨みつける。
これ以上ないほど、私は冷静だった。
「そういうことなんで、お引き取り願いますか?」
さらに末石専務が、お義母さんを無理矢理立たせる。
「あなたたち、こんなことをして許されると思ってるの!」
「ええ。
私も有史から直接聞くまでは、あなたの言葉を信じません。
出ていってください」
「こんな会社、私の一存でどうとでもなるんですからね!」
「そうですか」