溺愛社長の2度目の恋
淡々と言葉を返しながら喚き立てる彼女の肩を押し、専務は社長室を出ていった。
だんだんとお義母さんの声が聞こえなくなり、そのうち聞こえなくなる。
少しして、末石専務がひとりで戻ってきた。
「追い出してきた。
とりあえず、どういうことが説明してもらおうか」
さっきまでお義母さんが座っていた場所に、重そうに彼が座る。
お義母さんは有史さんがこの会社を辞めて後を継ぐとか言っていたし、彼にとっても他人事ではないのだ。
「だいたい、有史と別れて檜垣と結婚するんじゃなかったのか」
「それは……」
互いに自分の気持ちに素直になり、檜垣さんに謝ってよりを戻したのだと説明する。
「そうか、アイツはようやく、深里を吹っ切ったのか」
末石専務は嬉しそうに顔を綻ばせた。
深里さんに拘り続ける有史さんを心配していたし、そうなるだろう。
「でもそれがなんで、古海と別れて後を継ぐとかになっているんだ?」
「私にもわかりません」
お見合い相手を断り、お母さんにわかってもらうから大丈夫だと有史さんは出ていった。
それがこんな事態になるなんて誰が思う?
「わかった。
俺はツテを頼って情報を集める。
古海も早まったことをしないように」
「はい」
念押しされた頷いた。
だんだんとお義母さんの声が聞こえなくなり、そのうち聞こえなくなる。
少しして、末石専務がひとりで戻ってきた。
「追い出してきた。
とりあえず、どういうことが説明してもらおうか」
さっきまでお義母さんが座っていた場所に、重そうに彼が座る。
お義母さんは有史さんがこの会社を辞めて後を継ぐとか言っていたし、彼にとっても他人事ではないのだ。
「だいたい、有史と別れて檜垣と結婚するんじゃなかったのか」
「それは……」
互いに自分の気持ちに素直になり、檜垣さんに謝ってよりを戻したのだと説明する。
「そうか、アイツはようやく、深里を吹っ切ったのか」
末石専務は嬉しそうに顔を綻ばせた。
深里さんに拘り続ける有史さんを心配していたし、そうなるだろう。
「でもそれがなんで、古海と別れて後を継ぐとかになっているんだ?」
「私にもわかりません」
お見合い相手を断り、お母さんにわかってもらうから大丈夫だと有史さんは出ていった。
それがこんな事態になるなんて誰が思う?
「わかった。
俺はツテを頼って情報を集める。
古海も早まったことをしないように」
「はい」
念押しされた頷いた。