溺愛社長の2度目の恋
しかし、早まったことって末石専務は私がなにをすると思っているんだろう?
……速攻で義実家に乗り込もうとは考えていたけれど。
今はおとなしく仕事をしておけとさらに念押しされたのもあって、仕事をする。
しかし、職場は落ち着きがなかった。
有史さんが社長退任、会社存続の危機となればそうなるよね。
午後になって突然、檜垣さんが会社に顔を出した。
「皆さん、しけた面あわせてご機嫌麗しゅう!」
檜垣さんとしてはお通夜ムードを和ませたかったのかもしれないが、まったく洒落になっていません!
「檜垣!」
すぐに末石専務が出てきて彼を社長室へ引っ張っていく。
目があって短く頷かれ、私も社長室へ行った。
「それで、どうだった?」
腰を下ろすの待てず、専務が切り出す。
彼の言うツテとは、檜垣さんだったらしい。
「天倉さんが親父さんの後を継いで会長に就く、そのために当面は適当な役職でってことで、今日から四菱地所で働いてるらしいよ」
「嘘だろ……」
末石専務は頭を抱えてしまった。
「それに見合いした、元華族のお嬢様との結婚も決まったらしい。
多産の家系で大学卒業したばかりのお嬢さんとなれば、あのお袋さんは大喜びだし、天倉さんもまんざらでもないかもな」
……速攻で義実家に乗り込もうとは考えていたけれど。
今はおとなしく仕事をしておけとさらに念押しされたのもあって、仕事をする。
しかし、職場は落ち着きがなかった。
有史さんが社長退任、会社存続の危機となればそうなるよね。
午後になって突然、檜垣さんが会社に顔を出した。
「皆さん、しけた面あわせてご機嫌麗しゅう!」
檜垣さんとしてはお通夜ムードを和ませたかったのかもしれないが、まったく洒落になっていません!
「檜垣!」
すぐに末石専務が出てきて彼を社長室へ引っ張っていく。
目があって短く頷かれ、私も社長室へ行った。
「それで、どうだった?」
腰を下ろすの待てず、専務が切り出す。
彼の言うツテとは、檜垣さんだったらしい。
「天倉さんが親父さんの後を継いで会長に就く、そのために当面は適当な役職でってことで、今日から四菱地所で働いてるらしいよ」
「嘘だろ……」
末石専務は頭を抱えてしまった。
「それに見合いした、元華族のお嬢様との結婚も決まったらしい。
多産の家系で大学卒業したばかりのお嬢さんとなれば、あのお袋さんは大喜びだし、天倉さんもまんざらでもないかもな」