溺愛社長の2度目の恋
それは彼を責められない。
だって、当初の予定どおり私が有史さんと別れて檜垣さんとの結婚を選んでいれば、問題はなかったのだ。
「……それは仕方ない、ので」
気にしないでほしいと笑顔を作る。
それでも、ぎこちなくなってしまった。
「ほんとにごめん。
その代わり、俺にできることはなんだってさせてもらう」
真剣に檜垣さんが私を見つめる。
彼を好きになっていれば、こんな面倒な事態にならず、幸せになれていたのかな。
でも、私は有史さんとの幸せを選んだのだ。
「それで、もうひとつは?」
このまま話が進みそうにないと思ったのか、末石専務が先を急かした。
「どうも借りを返せと脅されて、後を継がざるを得なくなったらしい」
「借りを?
……ああ」
合点がいったのか、頷いた末石専務が渋い顔になる。
「カドの土地か」
「正解」
ふたりは納得しているようだが、私にはまったく話が見えない。
「あの……」
「説明するな」
私がわけのわかっていない顔をしていたからか、檜垣さんが説明してくれる。
「あの土地には四菱がリゾート型養護施設を建てるつもりだった。
といっても、先に手を上げたのは俺のほうだけどな」
それが、前に〝ぶんどった〟と言っていた件か。
だって、当初の予定どおり私が有史さんと別れて檜垣さんとの結婚を選んでいれば、問題はなかったのだ。
「……それは仕方ない、ので」
気にしないでほしいと笑顔を作る。
それでも、ぎこちなくなってしまった。
「ほんとにごめん。
その代わり、俺にできることはなんだってさせてもらう」
真剣に檜垣さんが私を見つめる。
彼を好きになっていれば、こんな面倒な事態にならず、幸せになれていたのかな。
でも、私は有史さんとの幸せを選んだのだ。
「それで、もうひとつは?」
このまま話が進みそうにないと思ったのか、末石専務が先を急かした。
「どうも借りを返せと脅されて、後を継がざるを得なくなったらしい」
「借りを?
……ああ」
合点がいったのか、頷いた末石専務が渋い顔になる。
「カドの土地か」
「正解」
ふたりは納得しているようだが、私にはまったく話が見えない。
「あの……」
「説明するな」
私がわけのわかっていない顔をしていたからか、檜垣さんが説明してくれる。
「あの土地には四菱がリゾート型養護施設を建てるつもりだった。
といっても、先に手を上げたのは俺のほうだけどな」
それが、前に〝ぶんどった〟と言っていた件か。