溺愛社長の2度目の恋
有史さんに会えるチャンスがあるなら、無駄にするわけにはいかない。
「わかった」
私の決意がわかったのか、檜垣さんは重々しく頷いた。
タクシーを降りて、ビルを見上げる。
「おっきなビル」
今日はこのビルの完成お披露目パーティなのらしい。
こんな大きなビルをいくつも所有する会社の御曹司だなんて、有史さんは違う世界の人間な気がして気弱になった。
ううん、私は有史さんを連れ戻すんだ。
「気合い入れなきゃ」
両手で自分の頬を思いっきり叩く。
「なにやってんだ?」
そんな私を、あとからタクシーを降りてきた檜垣さんが不思議そうに見ていた。
足を踏み入れた会場は、私の知らない世界だった。
あちらにいる女性も、こちらにいる男性も、キラキラして見える。
自分が場違いな気がして、つい気後れしてしまう。
「ほら、姿勢を正せ」
「あうっ」
檜垣さんから背中を叩かれ、変な声が出た。
「自信持て、夏音ちゃんはこの中の誰よりも美しい」
今は、お世辞とわかっていてもその言葉が嬉しい。
「ほら、行くぞ」
「はい」
小さく深呼吸し、彼の腕に自分の腕を組んだ。
会場内をさりげなく見渡す。
主催の人たちのところで、有史さんを発見した。
小さく指を指したら、檜垣さんも頷いてくれる。
「わかった」
私の決意がわかったのか、檜垣さんは重々しく頷いた。
タクシーを降りて、ビルを見上げる。
「おっきなビル」
今日はこのビルの完成お披露目パーティなのらしい。
こんな大きなビルをいくつも所有する会社の御曹司だなんて、有史さんは違う世界の人間な気がして気弱になった。
ううん、私は有史さんを連れ戻すんだ。
「気合い入れなきゃ」
両手で自分の頬を思いっきり叩く。
「なにやってんだ?」
そんな私を、あとからタクシーを降りてきた檜垣さんが不思議そうに見ていた。
足を踏み入れた会場は、私の知らない世界だった。
あちらにいる女性も、こちらにいる男性も、キラキラして見える。
自分が場違いな気がして、つい気後れしてしまう。
「ほら、姿勢を正せ」
「あうっ」
檜垣さんから背中を叩かれ、変な声が出た。
「自信持て、夏音ちゃんはこの中の誰よりも美しい」
今は、お世辞とわかっていてもその言葉が嬉しい。
「ほら、行くぞ」
「はい」
小さく深呼吸し、彼の腕に自分の腕を組んだ。
会場内をさりげなく見渡す。
主催の人たちのところで、有史さんを発見した。
小さく指を指したら、檜垣さんも頷いてくれる。