溺愛社長の2度目の恋
私のデスクにきて、彼は天板に手を置いてしゃがみ込んだ。
「すみません、私はちょっと……」
食事に行く時間すら惜しい。
それくらい、仕事が押していた。
「ダメだ」
急に厳しい声が聞こえてきて、手が止まる。
「まともにメシ、食ってないだろ。
俺がいるときくらいちゃんとメシを食え。
そんな時間もないっていうなら、末石さんに交渉させる」
「でも……」
「社長命令」
渋っていたら彼は無理矢理私を立たせた。
「……わかりました」
ここまでされて彼の気持ちを無駄にできない。
手早くパソコンをスリープ状態にし、バッグを持った。
檜垣さんが私を連れてきたのは、いつかも来たカフェだった。
「ラッキーだな、今日のサンドイッチはローストビーフだってよ。
元気のないときはやっぱり、肉だよ、肉」
笑いながら彼は私の希望など聞かず、それをふたつ注文した。
「ちゃんと食って、ちゃんと寝ろ。
仕事に逃げるな。
天倉さんを取り戻すにしても、夏音ちゃんになんかあったら、話にならないんだからな」
「……はい」
檜垣さんの言葉はもっともすぎて、肩を丸めて小さくなった。
確かに今、私が倒れたら、有史さんを取り戻すどころではなくなる。
「すみません、私はちょっと……」
食事に行く時間すら惜しい。
それくらい、仕事が押していた。
「ダメだ」
急に厳しい声が聞こえてきて、手が止まる。
「まともにメシ、食ってないだろ。
俺がいるときくらいちゃんとメシを食え。
そんな時間もないっていうなら、末石さんに交渉させる」
「でも……」
「社長命令」
渋っていたら彼は無理矢理私を立たせた。
「……わかりました」
ここまでされて彼の気持ちを無駄にできない。
手早くパソコンをスリープ状態にし、バッグを持った。
檜垣さんが私を連れてきたのは、いつかも来たカフェだった。
「ラッキーだな、今日のサンドイッチはローストビーフだってよ。
元気のないときはやっぱり、肉だよ、肉」
笑いながら彼は私の希望など聞かず、それをふたつ注文した。
「ちゃんと食って、ちゃんと寝ろ。
仕事に逃げるな。
天倉さんを取り戻すにしても、夏音ちゃんになんかあったら、話にならないんだからな」
「……はい」
檜垣さんの言葉はもっともすぎて、肩を丸めて小さくなった。
確かに今、私が倒れたら、有史さんを取り戻すどころではなくなる。