溺愛社長の2度目の恋
きっぱりと天倉社長が言い切る。
……くーっ、尊い!
思わず手足をばたつかせたくなったが、それはかろうじて我慢した。
「健一こそ、僕が深里を忘れていいの?」
「それは……」
末石専務が、苦しげともなんといえない顔をする。
専務なんだから天倉社長の奥様を知っているんだろうと思っていた。
でもその顔は、それだけではない気がする。
「……俺は、深里はお前の幸せを願ってると思うよ」
ぽつりと専務がこぼしたそれは、酷く淋しそうだった。
「あの……」
そこまで踏み込んでいいのか躊躇われる。
しかし、私にとって深里さんのことはもう、関係のある話だ。
「ああ、ごめんね」
私をおいて話をしていたと気づいたのか、天倉社長は申し訳なさそうな顔をした。
「深里は健一の妹なんだ。
それで、ね」
「そうなんですね」
これで今までの話を理解した。
だから専務はこんなに、深里さんを忘れろだの言うのだろう。
話が終わった頃に、始業時間になった。
ちなみにこの朝の一時間分は、時間外手当が付くらしい。
そこも前の会社と違ってホワイトで、ここに就職できてよかったと思った。
「紹介するね。
今日からここで働いてもらう、デザインの古海さん」
「古海です、よろしくお願いします」
……くーっ、尊い!
思わず手足をばたつかせたくなったが、それはかろうじて我慢した。
「健一こそ、僕が深里を忘れていいの?」
「それは……」
末石専務が、苦しげともなんといえない顔をする。
専務なんだから天倉社長の奥様を知っているんだろうと思っていた。
でもその顔は、それだけではない気がする。
「……俺は、深里はお前の幸せを願ってると思うよ」
ぽつりと専務がこぼしたそれは、酷く淋しそうだった。
「あの……」
そこまで踏み込んでいいのか躊躇われる。
しかし、私にとって深里さんのことはもう、関係のある話だ。
「ああ、ごめんね」
私をおいて話をしていたと気づいたのか、天倉社長は申し訳なさそうな顔をした。
「深里は健一の妹なんだ。
それで、ね」
「そうなんですね」
これで今までの話を理解した。
だから専務はこんなに、深里さんを忘れろだの言うのだろう。
話が終わった頃に、始業時間になった。
ちなみにこの朝の一時間分は、時間外手当が付くらしい。
そこも前の会社と違ってホワイトで、ここに就職できてよかったと思った。
「紹介するね。
今日からここで働いてもらう、デザインの古海さん」
「古海です、よろしくお願いします」