溺愛社長の2度目の恋
天倉社長に紹介され、頭を下げた。
Sky End Companyはスタッフは二十名ほどと少ないが精鋭で、年商は軽く億を超える。
そんな会社に自分が入れたなんて、まだ夢でも見ているみたいだ。

「それから。
古海さん……夏音と僕は結婚するんだ。
だからといって特別扱いはしないけど、よろしく」

証明するかのように社長が私の腰を抱き寄せる。
それに動揺したが、顔には出さなかった。

仕事は今までと大きく変わらない。
いや、環境が前よりも格段に整ったので、やりやすく感じた。
以前の職場はただ机を並べただけだったが、ここではパーティションでひとりずつ区切ってある。
さらに机も広く、使いやすかった。

「どんな感じかな？」

ソフトを自分の使いやすいようにカスタマイズしていたら、天倉社長がパーティションの向こうから顔を出した。

「はい、ぼちぼちやってます」

すぐにパーティションを回り、社長が私のスペースに入ってくる。

「はい、どうぞ」

「あ、ありがとうございます！」

差し出されたカップを受け取った。
飲み物は各自で淹れるようになっているのに、社長が淹れてきてくれるなんて申し分けなさすぎる。

「少しずつ慣れていったらいいからね。
頼んだ仕事も急ぎじゃないし」

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