最凶婚 ~災禍の女王と怯まぬ花婿(プロット)
冒頭部分プロット
第一話 序章
強国ヴィチェランテの女王、クレメンティ―ナは二十四歳。
ある日、嫌な予感を覚えながらも大使の謁見を行うが、その内容は婚約の解消だった。美貌に恵まれ、善政を敷いているにもかかわらず、なんと九回目の破談だ。
いつも前向きなクレメンティ―ナだが、夫も跡継ぎもいない状況にさすがに落ち込んでしまう。
第二話 意外過ぎる立候補者
肩を落とすクレメンティ―ナを慰めてくれたのは、幼いころから仕えてくれている従者のロレンツォだった。
しかし女王の心はなかなか晴れない。というのも、破談の理由は自分と婚約した相手が必ず不幸に襲われるからで、今度の婚約者も同様だ。今や巷では『災禍の女王』と呼ばれているし、さらに魔力で国を守る立場にありながら、少しずつその力が弱まっているような気もしていて、いろいろ不安を覚えずにいられない。
それでもなんとか気を取り直そうとするクレメンティ―ナの前に、いきなりロレンツォが跪く。
「謹んでお願い申し上げます、女王陛下。どうかこの俺と結婚してください」
思いも寄らない求婚だった。
第三話 人質の王子
求婚してくれたロレンツォは従者を務めているが、もとは王子の身分だ。
とはいえ出身はヴィチェランテの属国で、三つ年下だし、剣術も弓術も乗馬も何ひとつクレメンティ―ナにかなわない。しかも遊学という名目で来ているが、実質は人質だった。
さらに身なりにかまわず、態度も大きくて、女王の相手にはまったくふさわしくない。しかし「本命が決まるまで」という条件で、仮の婚約者となるのだった。
「予備の婚約者を用意しとけば、焦らずに次を探せるだろ?」
「ありがとう」
適当に見えるロレンツォが実は誠実で優しく、誰よりも自分に尽くしてくれることを、クレメンティ―ナはよく知っていた。
ところが身なりを整えた彼を見て、心底動転する。正装したロレンツォは目を奪われるほどの美青年だったのだ。
強国ヴィチェランテの女王、クレメンティ―ナは二十四歳。
ある日、嫌な予感を覚えながらも大使の謁見を行うが、その内容は婚約の解消だった。美貌に恵まれ、善政を敷いているにもかかわらず、なんと九回目の破談だ。
いつも前向きなクレメンティ―ナだが、夫も跡継ぎもいない状況にさすがに落ち込んでしまう。
第二話 意外過ぎる立候補者
肩を落とすクレメンティ―ナを慰めてくれたのは、幼いころから仕えてくれている従者のロレンツォだった。
しかし女王の心はなかなか晴れない。というのも、破談の理由は自分と婚約した相手が必ず不幸に襲われるからで、今度の婚約者も同様だ。今や巷では『災禍の女王』と呼ばれているし、さらに魔力で国を守る立場にありながら、少しずつその力が弱まっているような気もしていて、いろいろ不安を覚えずにいられない。
それでもなんとか気を取り直そうとするクレメンティ―ナの前に、いきなりロレンツォが跪く。
「謹んでお願い申し上げます、女王陛下。どうかこの俺と結婚してください」
思いも寄らない求婚だった。
第三話 人質の王子
求婚してくれたロレンツォは従者を務めているが、もとは王子の身分だ。
とはいえ出身はヴィチェランテの属国で、三つ年下だし、剣術も弓術も乗馬も何ひとつクレメンティ―ナにかなわない。しかも遊学という名目で来ているが、実質は人質だった。
さらに身なりにかまわず、態度も大きくて、女王の相手にはまったくふさわしくない。しかし「本命が決まるまで」という条件で、仮の婚約者となるのだった。
「予備の婚約者を用意しとけば、焦らずに次を探せるだろ?」
「ありがとう」
適当に見えるロレンツォが実は誠実で優しく、誰よりも自分に尽くしてくれることを、クレメンティ―ナはよく知っていた。
ところが身なりを整えた彼を見て、心底動転する。正装したロレンツォは目を奪われるほどの美青年だったのだ。