誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)

初めてのお泊まり

「お邪魔します。」

心菜は帰って来て直ぐに、買ってきた物を冷蔵庫に入れ、息衝く間もなく夕飯の支度に取り掛かる。

「俺も手伝う。」
蓮は仕事終わりで疲れているだろう心菜を心配し、手伝いをかって出るのだが、大丈夫だから休んでいて下さいと背中を押されて、キッチンから出される。

「心菜だって疲れてるんだ。俺ばっかり休んでるのは気が引ける。」
そう蓮は言う。

「私より蓮さんの方が疲れてる筈です。お風呂とか入って寛いでてください。私は明日お休みなので大丈夫です。」

心菜の優しさに包まれて、変なところで頑固な心菜に仕方なく、分かったと、蓮は先に風呂に入る事にする。

風呂が沸くまでの間、近くの椅子に座りこっそり心菜を眺めて楽しむ事にする。

心菜は持って来た大きめのカバンからエプロンを取り出し、身に付けて早速夕飯の支度を始める。

玉ねぎを切り、ジャガイモの皮を剥き手際よく下ごしらえをして、ホワイトシチューを作っていく。

蓮はエプロン姿がこんなにも可愛いのかと、密かに思い、抱きしめたい衝動をひたすら抑えながら、頭をポンポンと撫ぜるだけになんとか止める。

「風呂行って来る。」

と、伝え風呂場に向かう。

大丈夫か俺?
理性がどこまで保たれるのか…自分自身に自信が無い。

蓮は冷たいシャワーを浴びて頭を冷やした。

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