誰にも言えない秘密の恋をしました （君にこの唄を捧ぐ）

「ちょっと前に帰って来たけど、心菜が集中してたからしばらく見てた。」

髪からシャンプーの香りがして瞬間、昨夜の心菜を思い出す。
体が反応しそうになりパッと離れる。

平常心を装うが、内心既に限界だと蓮は思った。

「朝ご飯、和食にしてみたんですけど食べれそうですか？」

「ああ、食べる。」
蓮が素っ気なく言う。

心菜はスッといなくなってしまった蓮に少し寂しさを覚える。

昨夜の今日で恥ずかしくて蓮の顔をまともに見れないと思っていたけれど、それよりももっと触れて欲しいと思ってしまうなんて…

なんだか自分自身が良く分からなくて戸惑う。

昨夜と同じように2人で配膳して向かい合って朝食を食べる。

「私も、蓮さんと同じ時間にここ出ますね。
お部屋の掃除とか何かやる事あったら言って下さい。」

いつも綺麗にしてるけど、少しでも何か彼女らしい事をしたいと思い提案する。

「この家、週に3回洗濯以外はハウスキーパーに入ってもらってるから大丈夫だ。」

「あ…ハウスキーパーですか…。」

さすがセレブは違う…。
心菜はそう思って妙に感心してしまう。

「心菜が、もしもやってくれるなら嬉しいけど。」

蓮から思わせぶりな目線を投げかけられて、うん？と心菜は首を傾ける。