誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
今夜は帰らなくていいのだろうか?
彼女の仕事のシフトを頭に浮かべる。

休みがいつなのか、今日は遅いのかなと、
メールしてもらったシフト表を毎日見つめていたせいで、暗記するまでになっていた。

明日、彼女は休みだ。

そう思うだけで嬉しくなる。

思わず頬に触れようとするがハッと手を止める。
手洗いすらしていなかった事に気付き、1人苦笑いする。

食卓には2人分の食事の支度が整えられている。

彼女を少し休ませてあげたい。
風呂に入ってから一緒に食べようと思い、一旦部屋を出る。

風呂から上がると、目が覚めた心菜が申し訳なさそうに駆け寄って来る。

「ごめんなさい。帰って来たの気付かなくて…。夕飯食べて来ましたか?いつ帰って来たんですか?」
心配そうに俺を見上げる。

「ついさっき帰って来たとこだ。飯はちゃんと食べてないから一緒に食べよう。
その前に抱きしめさせて。」
そう言って心菜を抱きしめる。

10日振りの心菜を堪能する。
安堵して癒され心が満たされる。

夕飯を向い合って食べる。
ただ普通の事なのに、こんなにも嬉しいのは彼女が目の前で笑っていてくれるからだ。

たわいも無い会話をしながら2人一緒に後片付けをして、心菜を風呂に行かせる。

もう時刻は12時を回っていた。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。

俺も明日は午後からスタジオに入ればいい。
それまで2人の時間を堪能しよう。
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