誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
「今直ぐにでも心菜の全てが欲しいんだが、駄目か?」

どう言う意味?
首を傾げて質問の意図を考える。

「もう、全部蓮さんの物だと…思うんですけど…。」

「本当か?」
えっ…そうじゃないの?

「ひゃっ。」
突然、抱き上げられてびっくりして思わず蓮さんの首にしがみつく。

何処に連れてかれるの⁉︎

辿り着いたのは寝室のベッドの上、ふわっと下ろされ組み敷かれる。

しばらく見つめられてドキドキが止まらない。

「俺が何しても嫌じゃない?」

な、何をしようと⁉︎
「わ、私が嫌がる事は、し、しないって…。」

「心菜が嫌がらなきゃいい。」
蓮さんが急激に近付いて来て唇を奪う。

口内を舐められて舌が絡められ、歯列を撫でられる。

心臓がバクバクと騒ぎ立て身体中を巡る。

パーカーのチャックがツーっと下げられる。
いろいろな事が急速過ぎて脳が追いつかない…。

「ま、待って…あ、明るいので…恥ずかしいです。」
蓮さんの顔を両手で隠して静止する。

「…分かった。カーテンを閉める。」
蓮さんは私の指をペロリと舐めて、堪らずバッと顔から手を離す。

ベッド脇のボタンを押すと、ゆっくりとカーテンが自動で閉まって行く。

それを不安気な顔で眺めながら、もう恥ずかしがってはいられない。
覚悟を決めなくちゃ、と下唇を噛む。

「心菜、跡が付く噛むな。」
と、蓮さんの指に唇を撫ぜられ力が抜ける。

「後は?どうすれば触れる事を許してもらえる?」

ジッと真っ直ぐ子犬のような目で見られる。

そんな顔されたら、嫌だなんて言える訳ない。
「怖くなったら…ぎゅってして下さい。」
それだけ言うのが精一杯だった。

後はもう何がなんだかわからなくなって、恥ずかしいとか怖いとか、痛いとか嫌だとか、そんな感情は吹き飛んで…

ただ、蓮さんに翻弄されて何度も昇らされる。煽られて一つになった時、幸せを感じて涙が溢れた。

「ごめん、痛いか?
後からいくらでも怒ってくれ。だけどもう…止められない。」

流れる涙を舐め取られ、しばらく動かないでいてくれた。

そんな蓮さんの方が苦しそうで、汗から額が流れ出ている。

「蓮さん…大丈夫…好きにして…。」
その蓮さんの頬に触れ、そう伝える。

「ごめん…ありがとう。」
その言葉を聞き全てを委ねる。
< 161 / 287 >

この作品をシェア

pagetop