誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
従兄弟の高遠龍二。
父の会社の子会社の不動産会社の社長をしながら、料理が趣味で飲食店を何軒か経営している。

前のマンションのオーナーで、俺の味方だと言いながら監視役だった筈だ。

心菜が居なくなってから直ぐに龍二に電話した。
龍二は全く知らなかったと、逆に父親に探りを入れてくれた。

中山麻里奈。
子供の頃に親同士が勝手に決めた許嫁だ。

自由気ままで気分屋で、人の迷惑も考えずわがままで自分勝手。

かつて御曹司だと言われていた頃でさえ、この女とは関わりたく無いと思っていた相手だ。

あいつが心菜に接触して、俺の許嫁だと言い振り撒いたなんて、考えただけでも腑が煮えくりかえる。

心菜は一体何を言われ傷付き、俺の側を離れてしまったのか知りたい。
知った上でちゃんと謝り、その無礼を詫びたいと思っている。

そして今日、その中山麻里奈に会う約束を龍二を通じて取り付けた。
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