誰にも言えない秘密の恋をしました (君にこの唄を捧ぐ)
LAでの日常
一年を通して暖かい気候のロサンゼルスは雨が少なく、日照時間も長い。
5月に入り夜の7時を過ぎても外が明るく、慣れない心菜は今が何時か分からなくなる。
LAに渡って4ヶ月。
病院で飛び交う医療用語や慣れない英語を必死で覚え、やっと何とか1人で仕事が出来るレベルの英語力を身に付けたぐらいだった。
それでもへこたれる事無く何とか研修を終えた。
その後もLAの病院で働きたいと思っていた。
しかし、努力だけではどうしようもない事態に陥ってしまった。
それは、大切なお腹の子の事。
こっちに来てから直ぐに産婦人科で検査した結果、妊娠2か月程だった。
段々と辛くなる悪阻は仕事中は何とか抑える事が出来たが、プライベートの時間帯は気持ち悪さが増し何度も吐くという辛いものだった。
元々貧血気味だった事もあり、仕事中も何度も立ちくらみを覚え、鉄剤を処方され何とか3ヶ月を駆け抜けたのだ。
今、この状態で看護師として働くには周りに迷惑をかけてしまう。
心菜はそう判断して、お世話になったドクターに相談し、今の仕事場を紹介してもらった。
そこはおしゃれな街角のカフェ。
パンやシュッシュなどの軽食や、コーヒー紅茶などが気軽に味わえる素敵な場所だ。
そして、その上の階にはアパートメントがあり、運良くそこの一部屋を格安で借りる事が出来た。