誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
3日目の朝、
シャワーを浴び、落ち着かない気持ちをどうにか発散しようと周辺をジョギングする。

さすが銃社会アメリカ。
昨夜も深夜に救急車やパトカーの音を聞く。

朝方にも関わらず歩く浮浪者や怪しげな車が目に付く。この大都会に独りで暮らす心菜を思い心配になる。

街中には危険なエリアがあり、住んでいる市民でさえも近付かないと、ホテルのフロントで教えて貰った。

例え日本に帰る事を拒まれても、どうにかして彼女の安全を確保しなければと想いが溢れる。

8時半過ぎ、心菜の働くカフェに出かけようと準備をしている所にスマホが鳴る。

出れば立ち上げたばかりの事務所からだった。連絡事項と相談で、かれこれ1時間の時間を費やす。

こんな時に限って…と言いたいが、不慣れな社員を置いて来た自分のせいでもある。

データの送付やメールの確認をしてやっと全てをやり切り、時計を見れば13時を回っていた。
慌てて仕事バックだけを片手に、心菜のいるカフェへと急ぐ。
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