誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
「久しぶりの外の空気はどうですか?」
心菜がそう聞くと、

「生きてるって感じがする。」
と、蓮が言う。

「太陽ってこんなに眩しかったか?
空もこんな鮮やかなスカイブルーだったんだな。」
しみじみと噛み締めるように言うから、思わず心菜は泣きそうになる。

「良かったですね、生きてて。本当に…良かったです。」
鼻をスンっと啜る。

「…泣くなよ。」
蓮が苦笑いしている。

「よし、そろそろ戻るか。」
そう言って立ち上がって歩き出す。

心菜も慌てて立ち上がり、近くのゴミ箱に缶を捨てて、蓮の背中を追いかけた。
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