誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
「ここちゃん、無謀な恋なんて辞めて、間近にいる人をよく見てご覧。
絶対貴方を幸せにしてくれる人は側にいるから。新しい恋をするべきよ。」

「そんな簡単に人を好きになれたら良いんですけど…。」
こっちが駄目ならこっちって、そんな気持ちにはなれない。

「1番好きな人とは幸せになれないって、2番目に好きな人と結婚した方が良いって、説があるくらいだよー。」

既に酔っ払いと変した高山は何を言いたいのかよく、分からなくなって来る…。

「もう、真剣に考えてくださいよー。
私は本当に困ってるんです。このままじゃ、仕事が手に付きません。」

「いやいや、仕事はしっかりやってるから、むしろ最近のここちゃんかっこいいよ!
みんなそう絶賛してるからねー。

ほら、近くにちょうど良い人いるじゃない!
山田先生とか…山田先生とかねー。
良いと思うよ。高橋さんよりぃー私は山田先生が良いと思う。」

高山先輩は山田先生を連呼して、結局何の解決もしないまま悩み相談はお開きになる。

何とか高山先輩をタクシーに乗せ、自分は電車で帰ろうと家路を急ぐ。

少し歩くと何となくフラフラして来る。

私もタクシーに乗れば良かったかなぁと、少し後悔しながら、駅前のベンチで1人酔いを覚ます事にする。
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