誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
怪我の治療を終えてベッドに寝かす。

まだ目覚めない事が心配で、離れる事も出来ない。

なぜこんな事になったのか、人の気も知らないで、もっと警戒心を持ってくれと咎めたい気持ちもある。

隣に転がり寝顔を見つめる。

小さく身じろぎ寝返りを打つ仕草が可愛くて、怒りたい気も失せてしまった。

こんな可愛い生き物がこんなに無防備で、俺の側で眠っている。
そう思うだけで庇護欲に駆られる。

俺が好きだと伝えたら、彼女はどう思うだろうか…。

どうか、拒まないでくれと祈りながらしばらく寝顔を見つめていた。
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