誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
「なぜ、そんな事になった?」
心菜は、深く聞かれる事に若干戸惑う。

「えっと…先輩に誘われて断りきれなくて2人で飲みに行ったんです。
何か相談があるとか無いとか…

結局先輩も酔ってしまって、先輩は私がタクシーに乗せたんですけど、私はその時はそこまでじゃなかったので…電車で帰ろうかと思って…駅まで歩いたんです…。」

本当は元気のない心菜の為に先輩が相談にのってくれたんだと言う事は、蓮の事で悩んでいたなんて口が裂けても言えないので伏せておいた。

蓮からしてみれば突っ込みどころがあり過ぎるが、とりあえず1番気になる事を聞く事にする。

「先輩って誰?」

「救急外来でお世話になってる看護師の高山先輩です。」

「男?」

「女性ですよ。
お休みが一緒になる事が珍しいので、今まで飲んだ事とか無くて、昨日が始めてだったんです。」

なんか警察の事情聴取みたい、と心菜は思う。

「ふぅーん。とりあえず、食べよう。」

蓮の表情が少し和らいだ気がしてホッとする。
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